Tシャツビジネスを始めるにあたり、ハードルを高く感じる原因の一つにデザインがあります。
でも、Tシャツビジネスに必要なデザインの知識はそこまで多くありません。
今回はデザインする前の予備知識について解説します。
苦手意識を克服してTシャツビジネスにチャレンジしましょう。
- カラーモードのCMYKとRGBの違い
- 画像の解像度について
- 加工方法毎のプリント可能なデザイン
- プリントの特色の扱いについて
カラーモードのCMYKとRGBの違い
デザインのカラーモードには印刷に使われるとCMYK、画面で使われるRGBがあります。
CMYKとは?
CMYKとは印刷で使われるカラーモードです。
Cyan=シアン・Magenta=マゼンタ・Yellow=イエローの3色とKey plate=キープレート(黒)から頭文字1文字ずつ取ったものです。
この4色を重ね合わせて色を作っていきます。
これは「減法混合・減法混色」と呼ばれるものです。
近くにプリンターがあればインクを見てください。
多くのプリンターのインクはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で構成されています。
RGBとは?
RGBとは通常画面上のデザインに採用されるカラーモードです。
Red=レッド、Green=グリーン、Blue=ブルーの3色の原色を混ぜて幅広い色を再現するものです。
これは「加法混合・加法混色」と呼ばれるものです。
スマホやテレビ、パソコンの画面なんかは3原色を用いたRGBで表現されています。
Tシャツプリントで必要なカラーモード
TシャツプリントのデザインはCMYKで作ることを推奨されています。
プリンターを使用するプリントではRGBモードのデザインは色が変わってしまうからです。
持込の画像の多くはRGBモードになっています。
色合いが変わることを事前にお客様に伝えてトラブルを未然に防ぎましょう。
画像の解像度について
画像で入稿する際は解像度の高いものがいいです。
推奨としては300dpi以上のものとなります。
解像度(dpi)とは?
dpiとは「dots per inch(ドット・パー・インチ)」の略で解像度を示す単位です。
1インチにどれだけドットがあるかという意味です。
1インチ内に多くドットがある方が鮮明な画像になるというわけです。
画面上で使用される画像には72dpiが一般的に選ばれています。
プリントするものは300dpiもしくは350pdiなどの高解像度のデータが必要となります。
Tシャツプリントの場合は300dpiで充分キレイにプリントされます。
加工方法毎のプリント可能なデザイン
Tシャツビジネスで重要なのは綺麗にプリントされるかどうかです。
実は綺麗にプリントされるデザインかどうかは加工方法によっても変わってきます。
今回ご紹介する規格は当方採用のもので、工場により多少数値の違いがあります。
シルクスクリーンプリント
シルクスクリーンプリントは版を作って、そこにインクを流してTシャツ等に直接プリントする加工方法です。
シルクスクリーンの場合は線は1pt(0.35mm)以上、抜きは2pt(0.7mm)以上を推奨しています。
これ以上細かいとかすれたり潰れたりする原因となります。
カラーについては規定のインクと特色も表現可能です。
金や銀、ラメなど様々な表現が可能です。
ただし、1色につき1版必要となるので、色数が多いほど金額が上がります。
カッティング転写
ラバーシートをカッティングプロッターでカットして熱着圧する加工方法です。
カッティングの場合は線と抜きは1mm以上、単独の点は直径2mm以上を推奨しています。
これ以上細かい場合はカットの時点で落ちてしまったり、転写してもはがれやすくなります。
カラーについてはラバーの色に依存します。
通常色に加えて蛍光やメタリック、ラメ、フロッキーなど様々なシートがあります。
2色以上重なったデザインはカッティング転写では表現できません。
ダイレクトインクジェットプリント
Tシャツ専用のプリンターで直接プリントしていくフルカラー対応の加工方法です。
紙をプリントするようにTシャツにプリントしていきます。
デザインについて大きな制限はありませんが、カラーモードはCMYKで解像度は300dpi以上のもの推奨です。
また、プリンターと同じで金銀やラメ、特色の表現はできません。
ソクプレス転写プリント
ランプワークスの転写フィルム、ソクプレスを使用した加工方法です。
カッティングの場合は線と抜きは1mm以上、単独の点は直径2mm以上を推奨しています。
これ以上細かい場合は糊付けの時点で落ちてしまったり、糊がはみ出る可能性があります。
カラーモードはCMYKで解像度300dpi以上が推奨されています。
プリンターでの表現となりますので、金銀やラメ、特色の表現はできません。
小ロットでフルカラー対応できるのでTシャツビジネスで重宝される加工方法です。
プリントの特色の扱いについて
特色とはプリンターで表現できないカラーの事です。
家庭のプリンターで金や銀、蛍光、ラメなどの表現はできませんよね?
その表現できないカラーを特色といいます。
特色が表現できるのはインク調合が可能なシルクスクリーンプリントです。
金や銀、蛍光などのシートがあるカッティング転写も一部表現可能となります。
ダイレクトインクジェットやソクプレスはプリンターと同じ原理で色を表現するので特色デザインは使用できません。
お客様の要望をよく聞き適切な加工方法を提案できるように準備しておきましょう。
でも、知識としてはしっかり持っておきましょう
まとめ
持込デザインを受け入れる時や、こちらでデザインを制作する際は加工方法によって注意点が変わります。
それぞれの特徴を把握した上で綺麗にプリントされるかどうか判断をしましょう。
ここの知識がないままにデザインの勉強をしてもTシャツビジネスでは遠回りになります。
まず、加工するためのデザインという認識をもって勉強していきましょう。
目的がハッキリしていれば勉強も進めやすくなりますよ