Tシャツのプリントには様々な加工方法が使われています。
その中でも小ロットで単色案件の際に活躍するカッティング転写(ラバー転写)についてお話していきます。
- カッティング転写とはなにか
- カッティング転写の制作工程
- どういった案件におすすめか
- 必要機材と導入費用について
- 特徴と取り扱いについて
背番号やネームなんかにもよく使われるプリントです
カッティング転写とは?
カッティング転写はラバー転写とも呼ばれています。
ラバーシートをカッティングプロッターでデザイン通りにカットして熱圧着するプリントです。
元となるラバーシートは様々なメーカーが販売しています。
楽天やamazonでも購入可能です。
シートの品質によりプリントの出来栄えも変わってきます。
シートの種類は普通色はもちろん金銀、蛍光、ラメなんかもあります。
また、フロッキーや柄のあるものなど特殊な種類もあります。
- 低コストで導入可能なプリント方法
- ラメやネオンカラーなど様々なシートがある
- 綿の他、ポリエステルやナイロンにも対応
- 色数が増えると割高になる
- 枚数が増えても安くなりにくい
- 耐久性はシートによって良し悪しがある
カッティング転写は製版の必要がないので小ロット注文で活躍します。
カッティング転写の制作工程
こちらの動画がカッティング転写のメイキング映像となります。
- デザインデータを作る
- カッティングプロッターでカットする
- 不要な部分を取り除く
- プレス機で熱圧着する
ステップ1:デザインデータを作る
デザインをしている所は映像にはありません。
デザインはillustratorのパスデータというものを使います。
そのパスデータに沿ってカッティングプロッターが作動し、指示通りにカットしてくれます。
転写するので左右反転のデータが必要です。
使用する機材によっては専用のソフトがあったりします。
illustratorが必須というわけではありませんが、使えた方が制作の幅は広まります。
ステップ2:カッティングプロッターでカットする
動画の始めに映るシーンです。
ステップ1で作ったデザイン通りにカッティングプロッターがカットしてくれます。
シートの種類によって歯の出し加減や圧を調整する必要があります。
簡単なようでシビアな設定が必要となってくる工程です。
ステップ3:不要な部分を取り除く
カットできたシートの不要な部分を取り除く作業です。
これは小さなデザイン程肩の凝る作業です。
文字などは比較的簡単ですが、細かなイラストは苦労します。
また、シートによって剥がしやすさも変わってきます。
自分が作業しやすいシートを見つける事をおすすめします。
ステップ4:ボディーに熱圧着する
最後はプレス機でボディーに熱圧着します。
プレスの条件はシートにより異なります。
130℃の低温でいけるものや160℃必要なものもあります。
また使用するプレス機によっても条件は異なるので、初めて使うシートはテストを行ってからお客様に提供しましょう。
必要機材と導入費用について
必要機材はカッティングプロッターとプレス機
カッティング転写はTシャツプリントの入門におすすめされています。
必要な機材はカッティングプロッターとプレス機の2つだけです。
後はデザインが出来るPCがあれば完璧です。
デザインが自分で出来な場合はココナラなどでパスデータを作ってもらいましょう。
その際、カッティングする線だけを残してもらうように指示しましょう。
導入費用は10~50万円
導入費用は10~50万円と幅が広いです。
プレス機
安いものなら2万円台~業務用で数十万円するものがあります。
目安として10万円程度のものを最初に導入すれば長く使えるでしょう。
安全性や耐久性を考慮して安くても5万円以上がおすすめです。
自作して楽しむ程度なら家庭用のアイロンでも無理ではないです。
カッティングプロッター
こちらもピンキリです。
こちらも安いもので2万円代~業務用の数十万円する機械があります。
価格帯でカットスピードや範囲、音などが変わってきます。
始めは3万円代のものでも十分使えるでしょう。
どのような案件におすすめか?
カッティング転写は製版の必要がありません。
なので、小ロットの注文で活躍します。
ただ、ラバーシートの色に依存するのでフルカラーデザインは対応できません。
- 30枚以下で単色デザイン
- ネームプリント
- 背番号などのプリント
カッティング転写は単色デザインで本領発揮します。
2~3色くらいなら色があっても大丈夫ですが、シートによっては重ねて圧着できないものがあります。
また、1度プレスすることにより縮みが生じて綺麗にレイアウトできないという事もあります。
複数色の場合は重なり合わないデザインなら可能とした方がいいでしょう。
まとめ
Tシャツプリントの内製化を始める時に取り入れやすいプリント方法であるカッティング転写についてお話しました。
耐久性や風合いなどはラバーシートに依存するので、あまりに安い物は注意しましょう。
有名メーカーの多くは洗濯にもしっかりと耐える品質で提供されています。
ナイロン用ははがれやすい場合もあるようなので注文時にお客様に伝えておきましょう。
ソクプレスを導入した次のステップとして、カッティング転写はおすすめです。
始めにプレス機を購入して転写フィルム外注スタイル
その次にカッティングプロッターを買って、単色は内製化という流れが良い感じです